2011年6月20日月曜日

ガン(癌)について

先日の土曜日、高知医大において消化器病学会四国地区、教育講演会が開かれ、私も参加して参りました.
上部消化管ー下部消化管ー肝ー胆膵ー医療統計の5部門で、各分野の腫瘍に対する化学療法がテーマでした.
今回は、消化器領域の悪性腫瘍について少し説明します。

悪性腫瘍は年齢とともに増加し、早期発見が出来ると内視鏡や腹腔鏡などで傷も少なく処置が出来るのですが、進行癌ですと開腹手術となります。
化学療法とは、いわゆる抗癌剤を用いて行う治療ですが、その出番は大まかに下記のようになります。
1. 進行癌の術後に再発予防
2. 進行癌で手術適応がない
3. 再発癌
といずれも治癒を目標に置くのではなく、延命に近いものととらわれがちです。
ただ、ここ8-9年前から分子標的療法といった新しい薬がいくつか開発されており、優れた再発予防効果や、進行癌でも化学療法が非常に奏功するといった症例が散見されるようになりました。
また、より副作用が少なく、ADLを損なわないような延命をするために、化学療法の薬の組み合わせなど以外にも、投与量や間隔などと言った細かい所まで、多様な治療法が日々研究されております。

ただ、癌は基本的にそれだけだと症状は出ません。
癌が大きくなり、他の臓器を圧迫したり、消化管などの管を閉塞してしまわない限りは痛みは出てこないのが普通です。
見つかったときに、「小さくてよかった」「傷も残らないで治せます」と言われるように、定期的な検診は受けたいものです。「60歳までは3〜5年に1度、60歳を過ぎると毎年」が早期に発見出来る目安だと思います。是非ご参考にしてください。