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2014年11月17日月曜日

当院の内視鏡システム

当院では、開院以来上部も下部もオリンパスのQ260シリーズを使用しています。
(もっと前にさかのぼると、Q260が発売される前から使用していましたが。)
従いまして最新のカメラではないですが、自分の指先の様に動かす事が出来ます。
このカメラの利点は、『口からの内視鏡としては細めであり、面順次方式の高画質』。
これにつきると思います。面順次方式とはオリンパス独自の方式で簡単に言うと「画質3倍以上」です。(少し詳しく説明すると、普通のカメラやテレビなどはドット表示なのですが、これは全体がグレースケールで合成するんので、肉眼で見ているように滑らかなのです。)
私が口からの内視鏡にこだわる理由は、画質です。
鼻からの内視鏡は画質、細さ故の扱いにくさ等より経口より見落としが多くなりがちだと思います。(もちろん見落とさない様に検査した上での話です。)
径鼻の最大の利点は、嘔吐反射が出にくい事ですが、私の経口内視鏡を用いた検査の経験上、嘔吐反射を来す事はきわめてまれです。また、苦痛も個人差は多少あるかと思いますが、殆ど無いと思います。
検査のためだけに鎮静剤などの余計な薬剤を使用したりせず、苦痛無く挿入し、精度の高い検査を心がけています。

2011年6月20日月曜日

ガン(癌)について

先日の土曜日、高知医大において消化器病学会四国地区、教育講演会が開かれ、私も参加して参りました.
上部消化管ー下部消化管ー肝ー胆膵ー医療統計の5部門で、各分野の腫瘍に対する化学療法がテーマでした.
今回は、消化器領域の悪性腫瘍について少し説明します。

悪性腫瘍は年齢とともに増加し、早期発見が出来ると内視鏡や腹腔鏡などで傷も少なく処置が出来るのですが、進行癌ですと開腹手術となります。
化学療法とは、いわゆる抗癌剤を用いて行う治療ですが、その出番は大まかに下記のようになります。
1. 進行癌の術後に再発予防
2. 進行癌で手術適応がない
3. 再発癌
といずれも治癒を目標に置くのではなく、延命に近いものととらわれがちです。
ただ、ここ8-9年前から分子標的療法といった新しい薬がいくつか開発されており、優れた再発予防効果や、進行癌でも化学療法が非常に奏功するといった症例が散見されるようになりました。
また、より副作用が少なく、ADLを損なわないような延命をするために、化学療法の薬の組み合わせなど以外にも、投与量や間隔などと言った細かい所まで、多様な治療法が日々研究されております。

ただ、癌は基本的にそれだけだと症状は出ません。
癌が大きくなり、他の臓器を圧迫したり、消化管などの管を閉塞してしまわない限りは痛みは出てこないのが普通です。
見つかったときに、「小さくてよかった」「傷も残らないで治せます」と言われるように、定期的な検診は受けたいものです。「60歳までは3〜5年に1度、60歳を過ぎると毎年」が早期に発見出来る目安だと思います。是非ご参考にしてください。