2011年6月28日火曜日

B型肝炎ワクチンについて

つい先日も、お電話にてお問い合わせ頂いたため、改めてblogにQ and Aの形で書かせて頂きます。
B型肝炎ワクチン接種とは、一部を除き任意接種となり、自由診療(保険外)となります。
また、接種には様々なケースがありますので、詳しくは窓口までご相談下さい。
(※一部とは、B型肝炎ウイルスに罹ったことのあるもしくは現在罹っている妊婦さんが出産する時の、子供(新生児)に対してで、ほとんどの場合は出産前に産科の先生から説明があり、出産と同時に開始されるため一般のクリニックが関与することはほぼ無いと思われます。)
Q1. どういった方が対象になるか?
   →医療従事者や消防・警察関係者、配偶者やパートナー・ご家族がB型肝炎を有する方、といったハイリスクの方です。
    また、衛生環境の悪い地域などに長期間出張などされる方も対象となります。
Q2. B型肝炎ウイルスとは?
   →慢性肝炎ないし肝硬変、肝癌発癌の原因となるウイルスです。
Q3. 感染経路は?
   →体液(唾液・血液)などを介して感染します。
    蛇足ですが、netで検索すると、「夫婦生活では感染しない」など様々書かれていますが、むやみに信用しないようにして下さい。残念ながらこの問題だけではないですが・・・
Q4. ワクチンの接種回数などは?
   →初回であれば、0-1-6(M)と3回注射にて行います。
    接種終了後1ヶ月に採血にて確認することをおすすめ致します。
Q5. 副作用などは?
   →一般的なワクチンと同程度で、皮疹や発熱もあるようですが、重大な副作用はあまり聞かれません。
Q6. 効果の持続期間は?
   →個人差が大きいようですが、8〜10年経つと半分近くの方が効果不十分域まで下がってきます。
    ハイリスクの方ですと再度接種することを勧めます。
Q7. 価格は?
   →ワクチンの接種回数・接種前後での検査の有無などで様々ですが、全て行う初回の方で2万円程度となります。

2011年6月20日月曜日

ガン(癌)について

先日の土曜日、高知医大において消化器病学会四国地区、教育講演会が開かれ、私も参加して参りました.
上部消化管ー下部消化管ー肝ー胆膵ー医療統計の5部門で、各分野の腫瘍に対する化学療法がテーマでした.
今回は、消化器領域の悪性腫瘍について少し説明します。

悪性腫瘍は年齢とともに増加し、早期発見が出来ると内視鏡や腹腔鏡などで傷も少なく処置が出来るのですが、進行癌ですと開腹手術となります。
化学療法とは、いわゆる抗癌剤を用いて行う治療ですが、その出番は大まかに下記のようになります。
1. 進行癌の術後に再発予防
2. 進行癌で手術適応がない
3. 再発癌
といずれも治癒を目標に置くのではなく、延命に近いものととらわれがちです。
ただ、ここ8-9年前から分子標的療法といった新しい薬がいくつか開発されており、優れた再発予防効果や、進行癌でも化学療法が非常に奏功するといった症例が散見されるようになりました。
また、より副作用が少なく、ADLを損なわないような延命をするために、化学療法の薬の組み合わせなど以外にも、投与量や間隔などと言った細かい所まで、多様な治療法が日々研究されております。

ただ、癌は基本的にそれだけだと症状は出ません。
癌が大きくなり、他の臓器を圧迫したり、消化管などの管を閉塞してしまわない限りは痛みは出てこないのが普通です。
見つかったときに、「小さくてよかった」「傷も残らないで治せます」と言われるように、定期的な検診は受けたいものです。「60歳までは3〜5年に1度、60歳を過ぎると毎年」が早期に発見出来る目安だと思います。是非ご参考にしてください。